A-4. その他のボイストレーニング事項



発声練習の前に【3分で出来る!顔マッサージと顔の体操】

発声練習の前に、即効性のある顔マッサージ方法と顔の体操をいくつかご紹介します。

発声は喉だけではなく身体のあらゆる部分を使います。

正しい発声を行なう為には、身体全体の力を抜きリラックスした状態を作る事が大切なのですが、緊張することで特に顔の筋肉が硬直してしまっている人が多いようです。

顔の筋肉は発声に大きく関わってきますので、硬直しているままでは口も大きく開けづらく良い発声はできません。

顔の口まわりの筋肉をほぐすマッサージ方法

両手の人差し指を使い

鼻の両脇の付け根から豊麗線(鼻の両脇 から唇の両端に伸びる2本のしわ)にそって

両耳の下の付け根から顎のラインにそって

頬骨にそって外側から内側へ

それぞれ小さな円を描くように軽く「ぐりぐりぐりぐりっ」とマッサージをしていきます。

2分間で上記の3セットを3回りできるくらいのスピードで行ないましょう。

これにより リンパの流れが良くなり、顔の緊張がほぐれます。

表情筋や舌の筋肉をほぐす体操

顔のパーツを思いっきり開き、そして真ん中に集めるように思いっきり閉じる運動を繰り返す

舌を舌根から上下左右に動かす運動

をそれぞれ1秒間隔で30回ずつ繰り返す。

これにより表情筋や舌の筋肉もほぐすことができます。

顔マッサージと体操の効果

表情筋の緊張がほぐれる事で 高音を素直に響かせることができる。

舌の筋肉をほぐす事で 滑舌がよくなる

3分程で出来ますので、歌う前にこれらの運動も行なってみて下さい。

面白いほど口が開けやすくなり、声が出しやすくなったことを実感できると思います。

運動をする前に行なうストレッチ同様に、発声練習の前のストレッチの一環として是非覚えて取り入れてみて頂きたく思います。

声色トレーニング  ~モノマネ上手は歌上手~

当校生徒さんへのアンケートでも、歌が上手くなりたい理由の第1位は「カラオケを上手に歌いたいから」です。

もちろん中には「将来プロを目指しているから」と言う方も多いですが、全体で考えると圧倒的に「日常的なカラオケを上手く歌いたい」と言う方が多いのです。

今日はそんな方のために

モノマネで歌が上手になる?

モノマネで声色トレーニング 顔・舌・口の中の部位を鍛える 歌声を細やかにコントロール出来るようになる

ことについて、音源や画像を交え書いてみたいと思います。

これは、ちょっとおふざけ的でもあるのですが、歌を上手く歌うためのコツにもなりますので、是非読んでみてください。

プロの歌手は歌う時、何を考えているか?

『歌う時に何を考えているのか?考えたら良いのか?』

そんなこと考えたこともない、と言う方もいらっしゃると思います。

しかし、歌と言うのは表現の方法ですので、厳密に言うと様々な感覚が存在します。

例えば、私達プロは歌う時、こんなことを考えています。

歌う時に考えること

音程

リズム

歌のニュアンス(節やビブラートなど)

声色

想い

考えるというより、瞬時に感性がはじき出すと言うような感覚ですが。

これは、長年の積み重ねによって出来るようになります。

また精度は別として、1~2は誰しもが考えて歌っていることでもあります。

1~3に関しては、このブログでもたくさん記事なっていますので、ご参考にどうぞ。

この中から、今日は4の声色に関して解説したいと思います。

声色とは?

では、声色とは何でしょうか?これを声の色と書いて「こわいろ」と呼びます。

みなさん普段、何も考えずに声を発していると思います。

ですがこの声にも種類があります。

同じ音程、同じリズムであっても、出す声の種類で雰囲気が変わります。

分かりやすい例で、役者さんなどは「おはよう」というセリフを何通りも言い分けるはずです。

試しに下のバリーエーションで「おはよう」と言ってみて下さい。

1)ねむそうに
2)ハツラツと
3)恥ずかしそうに
4)おどけた感じで

パッと思いつくだけでも、何種類も出てきます。

この場合はセリフですが、それぞれ違った声色を使うと上手く表現できるはずです。

モノマネの達人になろう

歌にも同じ様に声色が存在します。

歌の場合は分かりやすく同じ音程、同じ言葉で実演してみたいとおもいます。

 普通のアの口の開け方


1.普通の「ア」

これはいわゆる普通の「ア」です。

力まず自然な状態で「ア」と言っています。

 広角が上がったア

2.広角が上がった「ア」

1.  とほぼ同じですが、頬骨の筋肉、表情筋を上に上げて笑った様な顔で発した「ア」です。

口の開口部面積をわざと広めに開けている分、サウンドは少し明るく聞こえますね。

 鼻にかかったア


3.鼻にかかった「ア」

これはいわゆる鼻声。舌の奥を持ち上げ、鼻の穴の空洞である鼻腔に音を響かせたもの。

ただこの場合、完全に鼻腔に響かせていると言うわけではなく、多少口からも空気が出ている状態です。

 喉を開いたア


4.喉を開いた「ア」

舌の奥を下げ、軟口蓋を上に上げ、喉を開いた声です。

ふくよかで芯のある太い声を出すには、この出し方が良いでしょう。

 喉を締めたア

5.喉を締めた「ア」

声門全体を締めあげ、ビリビリと細い声。

高周波により音の角が立つので、目立ちやすく、キャラクター系の声にも多く用いられます。

ただ、訓練を積まないで多用すると、すぐ喉が痛くなってしまう可能性もあります。

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、個性的な響きの 3 や 5 は、ほとんどモノマネの世界ですね。

3の様な鼻にかかった声で歌う歌手の方もいらっしゃいますし、5はお笑いの出川哲朗さんや、俳優のえなりくんの様な声です。

そうなんです。

この声色を変えるということは、モノマネの方々がやっていることなんです。

モノマネの方の歌が上手な理由

つまり、モノマネと言うのは、口腔内やそれに付随する様々な部位を細かくコントロールして行っているモノなのです。

そして、細かいコントロールが出来るということは、歌の節やニュアンスを細かく調整できる ということになります。

その証拠に、モノマネの方々は歌の上手な方が多いと思いませんか?

それは、彼らの舌筋や口腔内筋肉がモノマネをやることで普通の人以上に発達している証拠なのです。

面白い声を出しているタレントさんや歌手を見つけたら、みなさんも是非モノマネをして下さい。

出来なければ何度もチャレンジして下さい。

これは簡単にできる歌上達のためのトレーニングです。

極論ですが、モノマネが上手に出来るようになれば、歌も上手くなります。

モノマネをやる上で大事なポイント

ただやみくもにやっていては駄目です。

大事なことは、

モノマネをしている時に

自分の口の中がどうなっているのか?

厳密に言うと舌筋や口腔内筋肉、表情筋などが、どの様に動いているのか?

を、感じて下さい。

もしくは、鏡で口腔内を観察して動きを確かめてみてください。

例えば、鼻に抜ける音の微妙な抜け具合や、喉の奥の開き加減など、微妙な違いを感じてみるだけで、今まで気づかなかったことに気づきます。

各部位の微妙な動きをつかみとることで、神経が細やかに働き出します。

そして、誰もがより細かい精度で各部位を動かそうとします。

これは、歌上達へ大きな一歩になります。