B-5. タイミング・間・グループ


初心者は歌が走ってしまう方が多い

歌っている時は、自分では歌が早くなっているのを気づきにくい

特に初心者の方にとっては、歌っている時には感情表現・声の響き・音程など気を配ることがたくさんあって、歌のタイミングというものは自分では気づきづらいものだと思います。

歌をレコーディングしていて

私が「タイミングが早かったよね」と指摘すると、初心者の方のほとんどは「そうですか~? ビッチは低かったですよね」と答えます。
しかし、録音した歌を一緒に聞くと「あ~っ、ほんとだー。走ってますね」というやりとりが実に多いんですね。

音程などは自分でも気にかけている部分なので、合っている、いないが気づきやすいのですが、タイミングは指摘されて初めて認識するというケースが多いのです。

歌のタイミングを良くするには?

よく、ベースの音(リズム)を聞きながら(感じながら)歌うとタイミングが良くなると言われます。

ただベースのリズムに合わせながら歌うのは急に出来るものではなく、初心者には結構難しいものだと思います。

どちらかというとこれは歌の上級者向けのアドバイスと感じています。

ではどうすれば歌のタイミングが良く(歌が走らなく)なるのでしょうか?

走らずに歌うには?

1.曲のリズムに合わせ、適切な位置で息継ぎ(ブレス)をする。

2.節回しを意識して、音符の正しい長さに合うように歌う。

2については文章で書くとなかなか説明が難しいのですが、歌が走ってしまう原因は、

音符の正しい長さに対して、実際には短く歌ってしまう。

これは実に多いです。

メロディー本来の音符の長さに対して短く歌ってしまうと、次の音符を正しい位置より早く声を出してしまいます。

よって歌が早くなってしまうのです。

そして、音符の長さに合わせて歌うには、節回しがとても重要になってきます。

というのも《まっすぐ歌ってしまう》と大概は正しい音符の長さに対して、 短く歌ってしまうからです。

よくボーカルスクールでリズム感を鍛えるトレーニング(リズムレッスン)している方もいらっしゃいますが、これだけでは歌のタイミングを良くするにはさほど効果がないと思います。

何故ならば、上で述べたようにタイミングを良くするには、音符の長さにあった適切な節回しが出来るようにならなければダメだからです。

適切な位置で、適切な長さの息継ぎをする

また教則本に沿ってリズムレッスンを行うより、実際に曲を歌ってブレスのタイミングを意識して、適切な位置で適切な長さの息継ぎをするレッスンをした方が、はるかに歌のタイミングのトレーニングには効果的だと思います。

「息継ぎを適切に行う」ことはさほど難しいことではありません。

これを意識するだけで随分とタイミング良く歌えるようになります。

その上で音符の長さに合うような節回しを意識してみて下さい。

事実、レコーディングレッスンを受講している生徒さん達は、皆そうやって、歌のタイミングが良くなっていきました。

自分の《歌のタイミング》がどうなっているのか?

それが正しく分かるようになってくると歌が上達していきます。

フレーズの歌い終わりをしっかり意識する

カラオケを楽しんでいる方の歌を聞くと、フレーズの歌い出しの音程やアクセントは意識しているのに、歌い終わるポイントを曖昧にしてしまっている方が多いように感じます。

実は、このフレーズの歌い終わりを曖昧にしていると、どんなに素晴らしい歌でも聴き手には締まりのない不安定な印象を与えてしまいます。

歌い出しと同様に、歌の終わるポイント(歌を切る場所)までキチンと責任を持つことが大切です。

歌を切るポイントをしっかり意識する事で、歌に安定感とグルーブが生まれる

一流バンドの演奏をよく聴くと、BassやGuitar、Keybordsなど全ての奏者は、弾き始めのアタック音のリズムもそうですが、音を切るタイミング(音の長さ)までもキチっと意識して演奏しています。

これにより、演奏全体に安定感が生まれ、心地よいグルーブを生み出すのです。

歌も同じで、

歌を切るポイントや、歌をどこまで伸ばすかをキチンと理解し意識する

歌にグルーブ感と安定感が生まれます。

音符は音を切るタイミングまで細かに示せない

音符は、あくまでも大きな意味での道しるべであり、求められている細かなニュアンスは歌い手(奏者)自らが感じ、表現しなければ成立しないのです。

例えば歌や楽器で4分音符を四つ鳴らすとします。



これは「ターターターター」でも「タンタンタンタン」でも、「タ・タ・タ・タ」でもどれも正解になります。

つまり、歌や楽器の音を切るポイントを意識しないまま音符の通り歌って(演奏して)いると、音符自体にキチンとした正解がないものなのでどうしても曖昧になってしまうんですね。

肝心なのは、『どう歌うか?』を理解して歌うこと!

4分音符を「ター」といっぱい伸ばすのか、「タン」と終えるのか、またはもっと短く「タ」と切るのかはフレーズによって色々解釈があると思います。

肝心なのはフレーズの歌い出しから歌を切るタイミングまで、『どう歌うか?』を理解した上で、しっかり意識して歌うことです。

それだけでも、聴き手には安定感と心地よいグルーブ感を届けられます。

他にも、歌い終わりを意識しないことで、

・語尾の音程が変に下がってしまったり、上がってしまったり

・語尾がふらついてしまう

・ビブラートが不自然になってしまう

・音量が小さくなってしまう

と様々な問題があります。

また、歌い終わり(歌の語尾)は実はニュアンスにもなるんですね。

歌に表情をつける意味でもとても大切になってきます。

これらについてはまた後日書きたいと思います。

語尾を曖昧に歌ってしまっている方は実に多いので、大切にしてみてください。

ちょっとした意識を持つだけで、カラオケなどを楽しむ時に、随分と歌の聞こえ方が変わってくると思いますよ。