B-7. ニュアンス・表情


節回しはシンガーの個性になり、歌のニュアンスにもなる

歌は楽器ではありません。

節回しがない歌は不自然です。

鍵盤は”ポーン”と指で弾いたら、立ち上がりの音から語尾までまっすぐな音がでますよね。

それと同じように人間が≪入りも語尾もまっすぐに声を出す≫のはかなり難しいと思います。

普通に歌えば、ナチュラルな節が入るものなのです。

歌の語尾をどう歌うか?はボーカリストの聞かせどころ

語尾というのはボーカリストにとって『聞かせどころ』のひとつになります。

どのようにフレーズを終えるか?』でボーカリストのオリジナリティーが表現され、ニュアンスにもつながります。

例えば『ビブラート』。

語尾をビブラートで終えるととても綺麗に聞こえますよね。

このビブラートが上手く出来ていると、リスナーは『このボーカリストの歌はイイね』というイメージを抱くでしょう。

それほど聞き手にも分かりやすいテクニックのひとつです。

そしてこのビブラートは

・波の揺らし方(上下の深さやスピードなど)

・ビブラートを始めるタイミング

・どのくらいの息(空気)を含ませるか?

など、シンガーそれぞれに個性がでます。

これが歌のニュアンスになるのです。

またソウル・R&B系のシンガーに顕著ですが、『語尾に緩やかな節を入れたり、短くしゃくってパッと切る』など、様々なタイプの節をつけて歌に表情をだします。

また『語尾を切るタイミング』は歌に『間』を作り、ボーカリスト独特のグル―ヴ感を生み出します。

この様にフレーズの語尾は、シンガーそれぞれの個性が表れ、歌にニュアンスと表情を生みだします。

皆さんも歌い終わりををしっかり意識して、自分らしさを演出してみてください。

歌は感情を入れすぎると逆に伝わりにくくなる

歌う上で感情表現はとても大切です。

発声をある程度学んでいる中級者以上の方はだんだんと歌に感情をのせられるようになってきます。

しかし感情表現はバランス良く出し入れしないと、聞き手に『くどい』と感じられてしまうこともあるので注意が必要です。

歌の感情表現とは

・歌頭の節の入れ方

・しゃくり

・声の強弱

・ビブラート

・語尾のニュアンス

など、様々なテクニックを用いてボーカリストは歌に表情をつけていきます。

中級者以上の方は歌に感情を込めるときに、ボイストレーニングで身に付いた発声をこれ見よがしに歌の中で表現しようと、これらのテクニックを必要以上に駆使しすぎてしまうことがあるんですね。

伝えようとする気持ちが先行するからか、無意識にそれらの感情表現が増えてしまっているのかもしれません。

ただやりすぎることで、歌の全部が濃くなってしまい、本当に強く思いを伝えたい箇所も変化無く聞こえてしまいます。

歌っている最中では本人はテンションも高ぶっているため、なかなかそこに気づくのが難しいようです。

何事も全てやりすぎは禁物で、出し引きは大切です。

押しっぱなしでは相手に引かれてしまいますよね。

1曲を通して、どう歌うのかをきちんと作り込むことが大切

自分の歌を録音して客観的に聞いてみて、感情表現が多すぎてリスナーに聞きづらくなっていないか?を冷静にチェックして、どこを強く表現するのか?譜面や歌詞カードに書き込むことをおススメします。

ここぞというところに的確に、バランス良く感情表現を入れることで、聞き手にとっても心地よく、ボーカリストの思いが入り込んでいきます。

以前から自分の歌を録音し確認する大切さを書いてきましたが、感情表現については特に、客観的に聞いてみることで気づくことは沢山あると思います。

この感情の入れすぎというのは、自分では意外と気づかずにやりすぎてしまっていることが多いものなんですね。

押しっ放しではなく、引きの美学も学んでみてください。