彦市   » 危機管理 » 終末期の生活設計

トップ  >  終末期の生活設計

終末期の生活設計

 日本の従来の家族制度では、老後は子供の世話になることを前提に自宅介護が殆んどでした。  

また、高齢者比率も低く、老人収容施設も僅かで足りていました。  

現在の日本の実情は、単身者や独居老人の増加で、高齢者の収容施設需要が急速に高まっています。  

長寿命化したシニア層は、余生を健康で楽しむことに傾注し、老後に要介護者になることは考えていないように見受けられます。  

ところが現実には、殆んどの方が要介護状態で終末期を迎えます。  

そこで、介護が必要になる終末期の生活を考えて、実情を調べてみました。

A.終末期をどこで過ごすか?

1.自宅または子供と同居

自立できる間は、住み慣れた自宅に限るが、要介護状態となると問題が出てきます。

特に、独居の状態では本人のみならず周囲の人達も心配します。

この対処方法を予め考えて置かなければなりません。

2.老人収容施設など  

以前は、病院で終末期を過ごした人も多くいましたが、現在は回復見込みの無い状態では退院させられます。

従って、介護ができる老人施設を探さなければなりません。  

これには公共的な施設と民間の施設があります。  

前者は老人福祉法人であり、国や県の補助と団体からの寄付もあって、比較的低額の負担で居住できます。  

後者は必要経費の殆んどと事業者の利益も負担しなければならず、高額な負担となります。

施設を分類すると:

住宅系・・・・

住宅行政が所管する高齢者向け住宅  

高専賃貸住宅、高齢者向け優良賃貸住宅など

福祉系・・・・

福祉行政が所管する高齢者向け施設  

有料老人ホーム、ケアハウス、養護老人ホームなど

介護施設・・・

介護保険給付対象の施設  

特養老人ホーム、老健施設、療養型医療施設

B.老後資金は大丈夫だろうか?

1.収入額の見積り 

年金及び雑収入(配当金や家賃など)、貯金と債券など、不動産や貴金属など、保険金。

2.支出額の見積り 

生活費、入居一時金、預託金、病気時の入院・治療費、娯楽・交際費。

3.余命推定年数で試算してみましょう。

夫婦2人の生活費の世間標準は健康状態で月間26万円程度です。

4.介護費用の試算

平均寿命と健康寿命との差が5~6年ですから、要介護期間として5年ほどを想定します。

(1).親族と自宅で生活(要介護状態)の場合  

信頼できる親族があれば、保証人と任意後見人を安価に依頼できるし、金銭の預託も出来ます。  

この場合は、人件費を除外して年間100万円程度の介護生活費となり、5年間で500万円となります。

(2).自宅で要介護生活をして、第三者に依頼する場合  

例えば、「きずなの会」では、入会金が42万円と初年度手数料が25万円ほどで、年会費1.2万円程度です。  

保証人の行動実費と事務費は別途追加されて、年間で50万円程度は必要でしょう。  

従って、180万円の預託金は2年間で使い切ってしまいます。  

5年間の要介護生活では、更に、160万円程度追加となりそうです。  

この他に、介護生活費として年間で150万円程度が必要です。  

従って、5年間で1090万円となります。

(3).有料ホームで、保証人を第三者に依頼する場合  

有料ホームに納める費用が月毎に20万円で、その他の雑費を5万円として  

介護生活費として年間で300万円程度です。  

更に、第三者に保証人を依頼する費用として5年間で340万円必要ですから、合計で5年間に1840万円となります。

(4).認知症で、有料ホームに入り、後見人と保証人を第三者に依頼する場合

 この場合は、後見人の手続費用が15万円ほど掛かり、後見人と後見監督人の費用として年間60万円程度が必要です。  

更に、金銭預託の費用として、年間15万円必要です。  

従って、上記の3項に15万円と年間75万円の費用が加算されて、5年間に2230万円となります。

上記の試算については異論もあるかと思いますが、個人の環境に合わせて、将来の要介護状態に対処することです。

5.介護費用を減らす策

(1).健康寿命を伸ばす努力をする。  

例えば、3歳伸ばせば要介護の期間が半減します。  

6歳伸ばせばPPK(ピンピンコロリ)で人生が終ります。

(2).社会福祉協議会や地域の民間組織を利用する。  

サービスは期待できませんが、最低限の生活は出来ます。  

保証人や後見人も手配してもらえます。

C.身元引受人と財産管理人を誰にしようか?

1.子供や親族に依頼する。

2.専門の業者と契約する。

3.社会福祉協議会などの指導を受ける

4.もし認知症になると、法的な行為の代行と財産管理を法的資格を持った成年後見人に依頼することになります。

D.今後社会情勢はどう変化するだろうか?

1.年金支給額は減少傾向にあります。

2.公的な老人ホームの増加は期待できません。

3.日本社会が老人福祉に対して消極的傾向にあります。

4.介護保険制度にも限界があり、老齢化率が増大するとサービスの低下が懸念されます。   

福祉先進国であるスウェーデンやドイツでもこの傾向にあります。

E.具体的に調査・検討してみました。

(1)自宅で暮らす場合 

住み慣れた環境で、生活調度品も揃っており自由で便利な生活を継続できます。

経済的にも負担が軽いので、要介護状態になっても出来れば自宅を選びたい。  

要介護状態になると外部から支援者が入るので、バリヤーフリーに住宅改造しておくとよい。  

ただし、介護度が5の段階になると、常時見守りが必要になり、家族が対応できないと介護保険の枠内では 収まらなくなるので、高額な支出となります。

(2).老人施設で暮らす場合 

公共の老人福祉法人と民間経営の施設があります。  

老人福祉法人には、国と県から補助金が出ており、団体からの寄付もあって比較的低額の負担で居住できます。  

所得額で負担額をランク分けしており、厚生年金の標準収入の人で月15万円程度となります。  

民間施設では、かなりのバラツキがあり、単純ではありませんが、同等のサービスに対して公共的施設の2倍程度となります。  

従って、誰もが公共的施設に申し込むので、待ち期間が長く、更に、緊急度の高い人が優先的に入居審査されるので、入所は殆ど期待できない状況です。  

このため、自宅介護から早急に施設入所するには、居住地区内の民間施設を選定せざるを得ません。  

また、すぐに入居できる施設ほど、サービスに対する費用単価が高いと考えておきましょう。  

単純に判定できませんが、例えば、入居一時金が高いか、サービスの質が劣るか、追加の出費が多いか、償却負担が大きいか、などなど・・・

選定時には比較調査が必要です。  

WEB上には施設紹介の案内記事が沢山ありますが、大手の民間施設が中心であり、宣伝しないと常時満室を保てない施設と考えられます。  

民間施設でも、ユニークでサービスの質が優れた所もありますが、この種の施設は数も少なく常に満室状態でしょう。  

民間施設の場合には、管理費の内訳を確かめておかないと追加の出費が発生します。  

病気で外部の病院へ移されると、二重の生活費負担となります。  

施設内でどこまで対処してもらえるのかをしっかり確認しておく必要があります。

入居前に、平均余命を推定して資金計画をしなければなりません。  

その間の収入総額と貯金等の合計額から最後に残す金額を差し引いて支出の総額を算出します。  

余命期間をこの支出総額で収まるように、施設等の選定をします。  

余力があれば、遊興費や交際費として使えますので、生活を楽しめます。  

平均的なサラリーマンで過ごした人では厚生年金で生活費をまかなえますが、国民年金の人は貯金や資産を取り崩さなければなりません。  

比較的低額の負担で入所できるのは、ケアハウス(軽費老人ホーム)です。  

自立時から入居できて、要介護状態になると、介護専用室へ住み替えできる所もありますが、全てではありません。  

殆どが社会福祉法人であり、特養老人ホームを併設している所が多いです。  

経済的に余裕のある人は、介護付き有料老人ホームを選定すると快適な生活を楽しめます。  

自立状態で入居できて、要介護状態になると、介護専用室へ住み替えできる施設が理想です。  

この種の施設は、数が少なく、入居一時金が高額です。(およそ2,000万円以上)  

一般に、介護型施設では介護保険の給付対象者にならないと入居できません。  

中には、自立状態でも入居できる所もありますが、わずかです。  

グループホームは、認知症に人を対象とした集合住宅です。  

最近の傾向は、市営住宅やURL都市機構などもテストケースとして取り組み始めているようです。  

太平洋ベルト地帯の沿岸部に位置する施設は、大地震時の津波被害が心配されるので選定しないほうが無難でしょう。  

高齢になると判断能力が低下しますし、認知症になる場合もあります。  

施設や病院に入所する時には、必ず保証人と身元引受人が必要となります。  

この保証人探しで手間取らないように、前もって内定しておきましょう。  

第三者機関でこれら一切を代行する所があります。  

有料ですので、経済的余裕が無いと依頼できませんが、例えば、NPO法人の「きずなの会」はよく知られております。実績もあるようです。  

また、住居地域の「社会福祉協議会」で相談するとアドバイスがあるので、自立状態の間に訪ねられることをお勧めします。

最後に、私の気に入った施設を下記に紹介します。(地元愛知を主体に調査)  

豊田ほっとかん(豊田市)  http://www.osagashi-kaigo.com/prev/23/01070.php?pcode=23&codenum=01070  

喜楽の里(岡崎市)  http://www.kirakunosato.com/  

ワンズビラ知立(知立市)  http://www.onesvilla.org/  

リリーフセコンド(岡崎市)  http://www.relief-second.com/  

悠悠の館(米原市)  http://www.yuyu-life.jp/index.php  

白雲山荘(別府市)  http://www.hakuun.co.jp/index.html  

さくら郷(霧島市)  http://www.sakura-goh.jp/index.html  

高齢者住宅財団のHPの中で、高齢者の住まい選択については、下記のHPに検討指針が解りやすく説明されています。  

http://www.koujuuzai.or.jp/sumai/index.html  

更に、詳しい解説もあります。  

高齢者の住まいガイドブック-1  http://www.koujuuzai.or.jp/pdf/07_01_03_01_20090306.pdf  

高齢者の住まいガイドブック-2  http://www.koujuuzai.or.jp/pdf/07_01_03_02_20090306.pdf  

高齢者の住まいガイドブック-3  http://www.koujuuzai.or.jp/pdf/07_01_03_03_20090306.pdf  

身元引き受けと財産管理人、見守り、死後の手続きまでの一切を依頼できる団体として、NPO法人「きずなの会」を紹介します。  

http://www.kizuna.gr.jp/  

平均余命の算出表(厚生省)は、  http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life11/dl/life11-14.pdf